故・中川一郎代議士の秘書だった鈴木宗男。
国会議員の秘書にとって議員は「オヤジ」も同然、まして鈴木は中川さんの引き立てで“のし上がって”きたようなもの。
私事だが、亡くなった伯父貴は帯広で中川さんの後援会の幹部だった。高校生だった時分、母がたまたま中川さんと同席した際に、「息子さん(私のこと)を政治家にどうですか」と持ちかけて来たと後で知った。
たしかにあの時代、高校生の分際で『正論』を定期購読していた奴は珍しかったから、「面白いのがいる」とでも思ったのだろう。
自民党の総裁選に出馬しようとした中川さんが田中角栄に「池の鯉は跳ねちゃ駄目か」と打診したところ、「跳ねたはいいが、戻れなければ日干しだ」と諭されたのは有名な話である。角栄氏は党分裂の可能性を憂慮して言ったようだが、結局中川さんは不利を承知で総裁選に出馬し、予想どおり敗北。
そのあと中川さんが謀殺された(私はそう確信している)前後の鈴木は胡散臭い動きを繰り返していた。これは、知ってる人は知っている話。反社勢力の線は鈴木のひも付けだったのではないか。旧ソ連の工作を鈴木は見落としたのか(それなら秘書失格)、はたまた手引きしたのか。
あの頃、田中派の中堅だったのが小沢一郎。彼は一部始終を承知している筈だが、親を裏切った鈴木をどう見ていたのだろうか。そして小沢氏もまた、金丸事件に際して結果的に“親(政治の師匠である金丸氏)を裏切る”遁走で党を割り、逃げ切った。
時は流れ、民主党に擦り寄った鈴木は小沢氏の引き立てで衆院の外務委員長という要職につけた。「同類相憐れむ」といった所か。
鈴木がやった事は公共工事の斡旋による受託収賄である。外交に強いとアピールしていたが、
「俺は国士だ、失脚すれば国家の損失だぞ。少々のカネの話で突っ込むとは、マスコミも国民もおかしい」
と思い上がっているのだろうか。もっともこれは鈴木だけでなく、現与党の何人かも同様に考えている筈だ。
昨日の会見では相変わらず「検察権力と戦う」云々と述べており、同席していた二人の弁護士の存在が反検察を暗黙にアピールしていた(三浦和義や村木厚子氏などの弁護担当だった弘中惇一郎弁護士、足利事件(菅家さんの冤罪事件)で主任弁護人だった佐藤博史弁護士)。しかし往生際が悪すぎはしないか。
「検察権力と戦う」なら、検察審査会にもう一度判断を仰いで国民の声に期待する…と何故言わないのか。大将の小沢氏が「公正な検察の判断」「検察審査会という素人の判断はおかしい」と言っているから、矛盾が生じると遠慮しているのか。
本音は、「検察だろうが検察審査会だろうが、俺を有罪にするなら同じことだ」といった処に決まっている。
懲役2年だが実質は1年半を切る刑期。それに5年間、公職選挙法の規定によって選挙に立候補することができない。それでも鈴木は62歳だから、「もうひと花」咲かせるチャンスが無くはない。北海道民の思考には度し難いものがあるから、復活の可能性はある。
しかし本来、“親殺し”は死刑が妥当である。鈴木はこの程度の刑で済むのだから、有難く思わねばならないのである。


by yukana10
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